椎間板ヘルニア
犬の椎間板ヘルニアについて:当院では、緊急性のあるワンちゃんには手術対応させていただいております。ご不安な方はまずはご相談ください。

症状の一例:後ろ足が立たない
背中の痛みや後ろ足のふらつきは要注意!
●足がもつれる、ふらつく
●首や背中を触られるのを嫌がる
●抱っこする時に痛がる、嫌がる
●お散歩に行きたがらない
●後ろ足をひきずる
●爪をならして歩く
●頭、首を下げている
●立てない
●ソファーや階段の上り下りを嫌がる
●背中を丸めて歩く など
※ただし、これらの症状は椎間板ヘルニア以外の病気でも起こりますので、必ず動物病院で診察を受けてください。
犬のほうが重症! 犬と人の腰に起こる椎間板ヘルニアは全く違うもの
人の腰の椎間板ヘルニアは脊髄から枝分かれした馬尾(ばび)神経とよばれる末梢(まっしょう)神経が障害をうけるもので、通常、下半身麻痺(まひ)は起こりません。
ところが、犬の腰の椎間板ヘルニアは中枢(ちゅうすう)神経である脊髄(せきずい)が直接障害をうけるため、人より重症で下半身麻痺を起こすことが多く、緊急手術が必要な場合があります。
椎間板ヘルニアは首に発生する頸部(けいぶ)椎間板ヘルニアと、胸や腰に発生する胸腰部(きょうようぶ)椎間板ヘルニアの2つに分けられます。
我が国の椎間板ヘルニアの約80%が胸腰部に発生することから、胸腰部の椎間板ヘルニアを中心にお話いたします。
椎間板とは? クッションの役割をしています
首から尾にある背骨の一つ一つを電車に例えると、椎間板はその間にある連結部に例えることが出来ます。椎間板(連結部)は外からの衝撃を吸収するクッションのような働きだけでなく、その衝撃がなくなれば、また元の位置にもどるという形状記憶のような機能も併せもっています。この椎間板があることによって、犬も人も滑らかに首や腰を曲げることが出来るのです。
椎間板は、中心部はやわらかいゼリー状の「髄核(ずいかく)」からなり、その外側はコラーゲンを多く含む「線維輪(せんいりん)」から構成されています。
椎間板ヘルニアとは? なりやすい犬は?
椎間板ヘルニアとは、椎間板が本来ある場所から飛び出た状態をいいます。これによって、椎間板の上にある脊髄が圧迫され、不快感、痛み、麻痺などが起こります。
椎間板ヘルニアには下記の2つの型があります。

椎間板中心部の髄核が線維輪を破って脱出し脊髄を圧迫する型(ハンセン1型)
・若い犬で急に起こる(急性)
・特にダックス系に多い
・ダックスフンド、ウェルシュコーギー、ビーグル、シーズー、ペキニーズなどに多い。
これらの犬は、もともと椎間板がもろく、多くは3〜6歳までに発症し、治療を急ぐ場合が多い。
   
椎間板外側の線維輪のみが突出し脊髄を圧迫する型(ハンセン2型)
・成犬〜老犬でゆっくり起こる(慢性)
・ヨークシャテリア、マルチーズ、ミニチュアシュナウザー、ゴールデンレトリバーなどに多い。
椎間板が加齢に伴い変形し、ゆっくりと症状が悪化していきます。
     
上記のように、椎間板ヘルニアになりやすい犬種は定期的に動物病院で検診をうけることをおすすめいたします。
椎間板ヘルニアの予防は?
●段差のあるところを控える
・玄関の段差、階段の上り下り、ソファーの跳び乗り降りなどを控えましょう。

●激しい運動は控える
・フリスビーやドッグラン等での過度な運動は控えましょう。

●自宅の床は滑りにくい素材に替える
・じゅうたんやカーペットを敷いて滑らないようにしましょう。

●肥満に注意
・体重増加は腰への負担がかかるので、食事・おやつに気をつけましょう。

●無理に首輪を引っ張らない
・首を痛がるワンちゃんは、首輪ではなく胴輪に切り換えましょう。

●食事は高くして
・食器は台の上にのせて、下をむかなくても食べられるようにし、首への負担を軽減しましょう。

●抱っこも注意
・前足だけをつかんで持ち上げるのではなく、背中を上にし体が地面と平行になるようにして抱えましょう。
治療について
内科
軽度の場合(グレード1、2)は、病院や自宅のケージの中での安静や、お薬で症状が改善することもあります。
内科的治療で改善しない場合や症状を繰り返す場合は外科的治療をおすすめいたします。
外科
重度の場合(グレード3〜5)は手術適応になります。
当院では、必要に応じてCT、MRIを検査センターに依頼します。

手術は脊髄を圧迫している椎間板物質を取り除きます。手術後は絶対安静で、数日間の入院が必要になります。
手術が成功しても、症状の重さ、経過時間、脊髄の障害の程度によって回復時間には数日から数ヶ月と個体差があります。手術をしても残念ながら、下半身麻痺になり車椅子生活を余議なくされるワンちゃんもいます。

※「進行性脊髄軟化症」
重度の胸腰部椎間板ヘルニアの約5%で起き、治療法もなく原因不明。脊髄が広範囲に障害をうけ、激痛、呼吸不全などの症状がみられ、多くは数日で死にいたる。手術後に起こることもある。

手術後
リハビリ、サプリメント、鍼灸、レーザー等が行われています。
当院では、緊急性のあるワンちゃんには手術対応をさせていただいております。<br />
ご不安な方はまずはご相談ください。